自分自身の再生能力を利用する、夢のような毛髪再生医療。しかし、治療を検討する際には、その輝かしいメリットだけでなく、知っておくべきデメリットや限界についても、冷静に理解しておくことが不可欠です。まず、最大のメリットは、その「安全性」と「根本的なアプローチ」にあります。PRP療法のように自分自身の血液を使用する場合、アレルギーや拒絶反応のリスクは極めて低く、非常に安全な治療法と言えます。また、薬物ではないため、AGA治療薬で見られるような性機能への影響といった全身性の副作用の心配がありません。そのため、薬の服用に抵抗がある方や、女性、そしてAGA以外の原因による薄毛にも幅広く適用できるのが大きな強みです。そして、単に抜け毛を抑えるだけでなく、毛根組織そのものを活性化させ、髪が育つ土壌を根本から改善することを目指すため、治療効果として、髪が太くなる、ハリやコシが出るといった「髪質の改善」を実感しやすいのも特徴です。一方で、デメリットも存在します。最も大きなハードルは、その「費用」です。毛髪再生医療は、最先端の技術を用いた自由診療であるため、健康保険は適用されず、治療費は非常に高額になります。1回の治療で数十万円、効果を実感するためには複数回の治療が必要となるため、トータルコストは百万円単位になることも珍しくありません。また、「効果の現れ方には個人差が大きい」という点も理解しておく必要があります。自分自身の細胞の再生能力に依存するため、その効果は年齢や健康状態、薄毛の進行度によって大きく左右されます。誰もが同じように劇的な効果を得られるわけではないのです。さらに、毛根が完全に死滅し、産毛すら生えていない状態(線維化)になってしまうと、再生医療でも髪を生やすことは困難です。毛髪再生医療は万能ではありません。その可能性と限界を正しく理解し、自分の状態や予算と照らし合わせながら、医師と十分に相談した上で、慎重に治療を選択することが求められます。