私が薄毛治療を始めた当初最大の敵となったのは鏡を見るたびに募る焦りでした。ネット上の広告では短期間で劇的に変わったような症例写真が溢れていますが現実はそれほど甘くはなく最初の一ヶ月はむしろ抜け毛が増える一方で本当に自分は正しい道を進んでいるのかと毎晩のように自問自答していました。AGA治療における成功の鍵は治療期間を月単位ではなく年単位で捉えるマインドセットにあります。治療開始から三ヶ月目くらいまでは目に見える変化がほとんどない停滞期のように感じられますが実はこの時期に頭皮の下では毛包のサイズを大きくし髪の土台を作るという最も重要な変化が起きています。この時期に効果がないと自己判断して薬をやめてしまうことは発芽寸前の種を掘り返してしまうようなもので非常にもったいない行為です。私はモチベーションを維持するために一ヶ月ごとに同じ角度同じ照明の下で頭頂部の写真を撮り続けましたが三ヶ月目と六ヶ月目の写真を比較した際明らかに地肌の透け感が軽減しているのを確認した時の感動は今でも忘れられません。毎日の変化は微々たるものですが積み重なった時間は裏切らないということを実感しました。また治療期間が長期に及ぶからこそ通いやすいクリニックを選び医師やカウンセラーに不安を素直に打ち明けることも継続の秘訣です。一人で悩むと悪い方へと考えがちですがプロの目から順調に経過していますよと言ってもらえるだけで心の重荷はスッと軽くなります。AGA治療は短距離走ではなくマラソンに近い性格を持っており無理のないペースで淡々と走り続けることが最終的なゴールである豊かな髪に辿り着く唯一の手段です。今もしあなたが治療を始めて数ヶ月で効果に不安を感じているならどうかあと数ヶ月だけ踏みとどまってください。その先には今の努力が報われる瞬間が待っています。治療開始から九ヶ月が過ぎる頃には以前はセットしてもすぐに潰れてしまっていた髪にコシが戻り美容室でも髪質が変わりましたねと驚かれるようになりました。一年経った今では以前のように帽子で隠すこともなく自信を持って外出できるようになり人生の質そのものが向上したと感じています。この長いようで短い一年間は自分自身の外見だけでなく内面的な強さを養うための貴重な期間でもあったのです。
鏡を見るのが楽しくなるまでの一年間にわたる私の発毛奮闘記