AGAには大きく分けて、額の生え際から後退していくM型、頭頂部のつむじ周辺から薄くなるO型、そしてその両方が同時に進行する複合型という三つの代表的なパターンが存在し、これらを正しく見分けることは適切な治療方針を立てる上で欠かせないステップとなります。M型の見分け方は、左右の剃り込み部分を指でなぞり、以前よりも奥に深く食い込んでいないかを確認することですが、単に額が広いという個性との違いは、そのラインに「産毛」のような弱々しい毛がどれだけ残っているかにあります。本来の生え際であれば、太い毛と地肌の境界がはっきりしていますが、AGAが進行している場合は、太い毛と地肌の間に細い毛が散在する「グラデーション状」の領域が出現します。一方、O型の見分け方は、自分では確認しにくいためスマートフォンの動画機能で頭頂部を一周するように撮影し、つむじの渦の巻き方が弱くなっていないか、あるいは渦の中心から離れた場所まで地肌が露出していないかをチェックします。つむじ周辺の髪を軽くつまみ上げてみて、後頭部の髪に比べて明らかに手応えが軽かったり、毛が短かったりする場合は要注意です。さらに、近年増えているのが全体的にボリュームが低下するパターンで、これはびまん性脱毛症とも似ていますが、AGAの場合はあくまで男性ホルモンの影響を受ける範囲内で髪が細くなっていくのが特徴です。これらの進行パターンを早期に見分ける意義は非常に大きく、初期段階であれば内服薬のみで十分に改善が期待できますが、完全に地肌が露出してしまうほど進行してしまうと、毛包自体が消失してしまい、どんな薬剤を使っても再生が困難になるからです。髪の毛が「抜ける」という現象にばかり目を向けるのではなく、髪が「育たない」という現象、つまり髪の質の劣化をパターンごとに分析し、自分のタイプを冷静に特定することが求められます。変化は常に少しずつ、しかし確実に忍び寄ってくるため、日常の些細な違和感を放置せず、パターンの特徴に当てはめて客観的に評価する眼を養うことこそが、薄毛の悩みから解放されるための最短ルートとなるのです。
早期発見で差がつくAGA進行パターンの見分け方